27日、モニターの上に並ぶ貓のフィギュア。(北京=新華社記者/許蕓潁)
【新華社北京6月28日】中國社會の発展とライフスタイルの変化に伴いここ數年、大人の玩具需要が次第に顕著となり、一部のアートトイ(デザイナーズトイ)は若者の間で日増しに人気を集めている。
「2024中國玩具?ベビーキッズ用品業界発展白書」のデータによると、ロボット?メカプラモデル、カード、フィギュアなど大人向け玩具カテゴリーは、いずれも2倍を超える成長傾向を示している。ブラインドボックス(箱入りのおもちゃ)、フィギュア、アニメグッズなどを代表とするアートトイ市場は次第に過熱しており、若者に人気の新たな消費スタイルとなっている。
ますます多くの若者がオフィスのデスクにフィギュアやブラインドボックスを飾っており、職場環境に彩りを添えることができるだけでなく、忙しさの中でストレス解消にも役立つ。北京市で會社員として働く女性、張(ちょう)さんは「デスクトップモニターには貓のフィギュアたちを並べていて、見るたびにリラックスして楽しくなる」と語り、仕事の合間にたびたびフィギュアを觸って貓がそばにいるぬくもりを感じているという。
26日、オレンジ型のスクイーズ。(北京=新華社記者/呉寒氷)
このほか、スクイーズ(握って遊ぶ柔らかいおもちゃ)やスライム(觸って遊ぶ粘性のある半固形のおもちゃ)などストレス解消玩具も人気で、ふわふわで自由に形を変えられるおもちゃは、まるで神秘的な力があるかのように、軽く握るだけですぐにリラックスできる。北京、上海などの大都市には多數のスクイーズ専門店が登場している。
5月下旬、マクドナルドが「國際子どもの日」限定で販売したトランシーバーのおもちゃが若者の間で大ヒットし、ソーシャルメディアでも話題になった。中國のSNSアプリ「小紅書(RED)」では、「マクドナルドのトランシーバー」に関する投稿が2萬件を超えた。北京在住の女性、周(しゅう)さんは、店舗に並んでトランシーバーを購入した體験と遊び方を紹介する動畫をいち早く小紅書に投稿し、「いいね」を3千件以上獲得した。店舗でトランシーバーを購入できなかった消費者は、「閑魚」など中古品取引プラットフォームにも目を向けており、定価38元(1元=約22円)のトランシーバーが中古市場で400元の高値で取引されたケースもあった。
ますます多くの創造性と個性に満ちた新たな消費財カテゴリーが生活の中に登場している。世界のアートトイを扱うショップ「TOP TOY」の創業者兼最高経営責任者(CEO)、孫元文(そん?げんぶん)氏は、アートトイは若者に感情的な満足感とバリュープロポジション(価値提案)をもたらす懸け橋となり、知的財産権の中核と人の感情を結び付けることができると説明。中國のアートトイ市場は大きな成長の可能性を秘めており、アートトイ業界には今後多數の企業が參入するとの見方を示した。(記者/許蕓潁)